ホームシアターにおいて「照明」は、雰囲気の演出だけでなく、映像体験のクオリティ、作業性、暮らしの快適さなどに関わる重要な要素です。この記事では、ホームシアターの「照明」に求められる役割を解説し、プランニング時における注意点やテクニック、お薦めの配置や機器などをご紹介します。
ホームシアター照明は「3態」を想定すべし
ホームシアターは、映像や音楽を楽しむ時間のほかにも、関連作業を行ったり、また、生活空間でもあるなど利用方法が変化に富むのが特長です。計画時に少し気を付けるだけで、よりスマートで美しく使い勝手のよいシアタールームが実現できます。
想定すべきは「3態」
①視聴(適度に暗く、反射も含め照明光が直接目に入らない)
・ダウンライトや間接照明の利用
②作業(機材の設置や設定に充分な明るさ)
・充分な明るさの直接照明
③日常生活(リラックスして生活できる)
・明るさ調整や色味の調整が可能。
■視聴に適した照明
映像は光。よって、周囲の環境光はノイズといえます。テレビシアターの場合は、照明の映り込みがないよう、光源が剥き出しにならないダウンライトや間接照明を利用し、さらに映り込みを極力抑えられる位置関係を検討しましょう。照明器具の機能としては、映像の見え方に悪影響が少ない暖色(電球色)が推奨され、リモコンで明るさが調整できると理想的です。
- テレビシアターで映像を視聴する際は、映り込みがないようにダウンライトや間接照明を利用しましょう。テレビの背面をほんのり照らしてあげることで、目に優しい照明環境にすることもできます。
■作業に適した照明
ホームシアターでは機材や配線が複雑で、点検や機材入れ替えの際は、明るい方が作業が捗ります。視聴に適した暗めの照明だけでは不足を感じるケースが多いですので、手元のスポットライトやシーリングライトなどを備えていると重宝します。
- 複雑な機器のメンテナンス作業の際には、十分な明るさを確保しましょう。写真の事例ではマシンセクションの裏側に回り込めるようになっており、ケーブル交換などが容易に行えます。操作の際に手元にもあかりがあると便利です。
■日常生活に適した照明
食事、読書、団らんなど、日常生活では様々なシーンが想定できます。リビングを兼用する「リビングシアター」のみならず、シアター専用室でも想定しておくと、部屋の用途が広がります。日中も夜間も快適に過ごすには、照明の色味や明るさを調整できる機能が重宝します。最近では一般的なシーリングライトもLED化が進み、色味や明るさを調整できる製品が増えています。
テレビシアターを格上げする照明アイデア
照明は暗く調整した方が、映り込みが少なく、映画で重要な黒の諧調も見通しがよくなります。しかし、完全な暗室でテレビだけが光っている状態では、眩しく目も疲れがち。特に最近は映像のHDR化でテレビの輝度もアップしているので、より一層注意したいものです。
テクニックとしては、背面にあたる壁を間接照明でライトアップすること。こうすることで、視界が広がり、目の疲れを軽減できます。
理想は「バイアスライト」と呼ばれる専用品の利用。例えば「MediaLight Pro2」は、テープの要領でテレビ背面に貼り付けられるLED照明。色がD65(6500K)に整えられ、映像の色の見え方に悪影響を与えず、明るさ調整も可能。ISF認証も取得しているプロ向けの製品で、ホームシアターを格上げしてくれるでしょう。
- 「MediaLight Pro2」
¥31,350(税込/PHIlEWEB.Shop価格)
コストを抑えるなら、デスクライトや天井からのスポットライトなどを活用して、テレビの背面を照らすように工夫するのもよいでしょう。まずは試してみてはいかがでしょうか?
ホームシアターに適したシーリングライトもある!
質実剛健な方法としては、多機能なシーリングライトの利用がお薦めです。
例えばパナソニックの「パルック LEDシーリングライト(ライフコンディショニングシリーズ パネルタイプ)」は、まさにそんな1台。
1台のシーリングライトでありながら、直接照明に加え、間接照明やスポットライト的な使い方も可能。点灯パターンが選択でき、明るさや色味の調整も自由自在で、今回ご紹介した「3態」がカバーでき、位置や方向を工夫すれば、バイアスライト的な使い方もできる可能性があります。
- PANASONIC
「パルック LEDシーリングライト(ライフコンディショニングシリーズ パネルタイプ)」
〜8畳:¥80,190(税込)
〜12畳:¥85,140(税込)